
UXリサーチとは?「思い込み」で作るのをやめ、ユーザーの本音に迫る

UXリサーチは、UXデザインという大きなプロセスの中に位置づけられる、一つの手法です。
ユーザーの行動の裏側にある理由を理解し、プロダクトが進むべき指針を見つけるために行うがUXリサーチです。
今回は、そんなUXリサーチについて解説します。
なぜ今リサーチが必要なのか
UXリサーチというのは、ユーザーの行動や、その行動に至る心理・感情などを深く調査することです。
私たちはユーザーはこう考えているはずだ、こんな機能があれば喜ぶはずだ、という仮説や思い込みでプロダクトを作ってしまいがちです。
しかし、机上の空論で作られた機能が実際のユーザーニーズと合致することはほとんどありません。
私たちの想像だけで進むのではなく、現場に落ちている事実を拾い集めること。
UXリサーチは仮説や思い込みではなく、実際のユーザーニーズを明らかにするための確実な手段となるのです。
ダブルダイヤモンドと2つのリサーチ
UXデザインのプロセスとして有名なダブルダイヤモンドをご存知でしょうか。
発散と収束を繰り返す2つのひし形で表現されるモデルですが、リサーチもこのプロセスに合わせて大きく2つに分けられます。

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課題を発見するための探索型リサーチ
最初のひし形、つまり課題を発見する段階で行うリサーチのこと。
そもそもユーザーは何に困っているのか?解決すべき課題は何か?
まだ何を作るか決まっていない段階で、正しい課題を見つけるために行います。
いわば、正しいものを作るためのリサーチです。
解決策を具体化するための検証型リサーチ
2つ目のひし形、解決策を具体化する段階で行うリサーチを指します。
このデザインで使いやすいか?課題は解決できているか?作ったプロトタイプや製品が機能するかを確かめるために行います。
こちらは、ものを正しく作るためのリサーチです。
この2つを混同すると、何を作るか迷っているのにボタンの色をテストしてしまう、といったチグハグなことが起きます。
今、自分がどちらの段階にいるのかを意識することが大切です。
最も大切な本質的な課題を見極めること
UXリサーチを行う上で、CRUTECHが最も大切にしていることがあります。
それは、今課題だと思っていることは本当に課題なのか?を疑うことです。
例えば、ユーザーが登録フォームで離脱しているという事実があったとします。
これをフォームが使いにくいからだと決めつけて、UI改善に走るのは早計です。
もしかしたら、そもそも登録するメリットが伝わっていないのが真因かもしれません。
あるいは、今は登録するタイミングではないだけという可能性もあります。
課題とは、あるべき理想の状態と現状のギャップのこと。
ユーザーはどういう状態にあれば幸せなのか?
この定義がズレていれば、どんなに優れたリサーチ手法を使っても、的外れな答えしか返ってきません。
表面的な事象に飛びつくのではなく、その奥にある本質的なズレを定義すること。
これこそが、リサーチの質を決定づけます。
定性調査と定量調査の使い分け
リサーチと一口に言っても、その手法は様々です。
大きく分けると定性調査と定量調査の2つに分けられます。
これらはどちらが優れているという話ではなく、お互いが補完し合う関係にあります。

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理由を探るための定性調査
なぜその行動をとったのか?数字には表れない文脈や感情、深層心理を探るのが定性調査。
代表的なのはユーザーインタビューやユーザビリティテスト。
たった一人のユーザーの何気ない一言が、チームの景色をガラリと変えることも珍しくありません。
実態を測るための定量調査
何が起きているのか?どれくらいの規模なのか?
全体像を把握し、仮説の確からしさを検証するのが定量調査です。
アンケートやアクセス解析、A/Bテストなどがこれにあたります。
多くの人がこう言っているという事実は、意思決定を後押しする強力な材料になるはずです。
よくある失敗は、探索の段階、つまり何を作るべきか探している時期でアンケートをとってしまうこと。
まだ選択肢すら見えていない状態で何が欲しいですか?と聞いても、ユーザーは答えようがありません。
まずは定性で深く掘り下げ、見えてきた仮説を定量で検証する。
この行き来こそが、解像度を高める近道と言えるでしょう。
失敗しないリサーチのプロセス
では、具体的にどう進めればいいのでしょうか。
代表的な5つのステップをご紹介します。
1. 目的を明確にする
ここが成否を分ける大切なポイントです。
とりあえずユーザーの話を聞こうは、迷子になる第一歩。
新機能の使い勝手を知りたいのか、離脱の原因を探りたいのか。
知りたいことを言語化することから全ては始まります。
2. 仮説を立案する
たぶん、ここが使いにくいんじゃないか、こういう人はこんな課題を持っているはずだ、とあらかじめ当たりをつけておくことで、リサーチの焦点が定まります。
もちろん、その仮説が外れることもありますが、それもまた貴重な発見と言えます。
3. 手法を選定する
予算も時間も無限ではありません。
目的に合わせて、ベストな手法を選ぶことです。
サクッと確認したいなら社内のメンバーに聞くのも手ですし、じっくり掘り下げたいなら外部のリクルーティングサービスを使うのも良いでしょう。
4. 実査と分析を行う
ここで大切なのは、事実と解釈を分けること。
ユーザーがボタンを押せなかったは事実。ボタンのデザインが分かりにくかったからだは解釈。
事実を冷静に見つめ、そこから何が言えるのかをチームで議論します。
5. ネクストアクションを決める
レポートを書いて満足してはいけません。
で、どうするの?と問いかけ、得られた知見を、具体的なUI修正や機能追加、あるいはロードマップの変更にどう落とし込むか。
そこまで決めて初めて、リサーチは完了します。
現場でありがちな3つの壁と乗り越え方
リサーチを進める上で直面しやすい壁や、その乗り越え方については、別記事「[ユーザーリサーチとは?](https://www.crutech.co.jp/blog/136)」で詳しく解説しています。
現場で役立つ実践的な内容を紹介しているので、ぜひ合わせて読んでみてください。
AIと共存するこれからのUXリサーチ
AI時代のUXリサーチはどのような立ち位置になるのでしょうか?
AIはリサーチの現場でも当たり前の存在になっていくでしょう。
しかし、すべてをAIに任せれば良いわけではありません。
AIに任せる領域と人間が担う領域を明確に分けることが求められます。
定量と効率化はAIが得意なこと
アンケートの集計や、アクセス解析などの定量調査。
あるいは、膨大なインタビューログの文字起こしや要約。
これらはAIの得意分野です。人間が何時間もかけていた作業を、AIは一瞬で終わらせてくれます。
定性と共感は人間がすべきこと
一方で、ユーザーインタビューや行動観察など、直接人間とやりとりする定性調査は、人間の出番です。
相手の表情の機微を読み取る。
言葉に詰まった瞬間の間から感情を察する。
こうした非言語のコミュニケーションや信頼関係の構築は、AIにはまだ難しい領域です。
AIを使い倒して作業を減らし、人間にしかできない対話や観察に全力を注ぐ。
そうすることで、リサーチの質はこれまで以上に高まっていくはず。
課題の本質を見極めるために
UXリサーチにおいて最も大切なのは、課題の本質を探り、ユーザーのニーズを的確に捉えること。表面的な事象に惑わされず、なぜ?を問い続けること。
その積み重ねが、ユーザーに選ばれるプロダクトへの最短ルートになります。
もし、自社に合ったリサーチ手法が分からない、リサーチを始めたいが何から手をつければいいか分からない、とお悩みでしたら、ぜひ株式会社CRUTECHにご相談ください。
株式会社CRUTECHでは、ビジネスの課題とユーザーの本音を繋ぐパートナーとして、最適なリサーチプランをご提案します。
